【コラム】多読多聴のススメ
周りにいる英語がペラペラな人ってどんな人ですか?
皆さんはどうやって英語を習得しましたか?
きっとたくさん英語を使う機会があった方が多いのではないでしょうか。
海外生活経験であったり、常に英語を話したり聞いたりできる環境があったり、嫌いだったのに仕事で使っているうちに話せるようになったなんて人も。英語の勉強が好きで、コツコツと努力の積み重ねで話せるようになった人もいらっしゃるでしょう。
語学習得メソッドにはいろいろとあるかと思いますが、そんな中でも今、注目されているのが、「多読多聴」です。
「多読?いっぱい読むの?中学高校の英語の授業では、ほとんどReadingがメインで、いろいろと読んだけれど、全然話せるようにはならなかったよ?」
「はい、いわゆる受験勉強でおなじみの英文読解はIntensive Reading(精読)といって、これはこれで意味のある大切な勉強方法ですが、Extensive Reading(多読)とは目的も方法も異なります。」
多読多聴とは、良質な英語を視覚と聴覚からたくさん得る事を目的としています。 また、精読とは違い、英語を英語のまま理解しながら、最終的には母国語で読書するのと同様になり、読書愛を育てることが最大の目的です。その過程で英語力が身についていく学習方法となります。
【多読三原則】多読を楽しく続けていくための3つのポイント
(1)英語は英語のまま理解する(日本語に訳さなくても読める本を読む)
(2)あらすじがわかる本を読む(わかったところをつなげて読む)
(3)楽しんで読む(自分の好きなジャンルの本を読む)
①英語は英語のまま理解する(日本語に訳さなくても読める本を読む)
頭の中で日本語に置き換えたりしなしで、英語で理解する習慣をつけましょう。本を読むスピードも速くなり、読書量も伸びていきます。
②あらすじがわかる本を読む(わかったところをつなげて読む)
わからない単語すべてを辞書で確かめる必要や、100%の理解にこだわる必要はありません。わからないところは飛ばして、わかったところをつなげて読んでいくことで、包括的な把握能力も身につきます
③楽しんで読む(自分の好きなジャンルの本を読む)
理解できずに飛ばす部分が多い本は、自分のレベルにあっていないので、まずはスラスラと読める優しい本を読みましょう。おもしろくないと感じた本は読むのをやめてしまってもよいのです。多読では、自分にあったレベル・ジャンルの本を選ぶことが大切です。
つまり・・・
多読では、簡単に理解できる文章を楽しみながら読み進めることが重要になってきます。わからない単語が出てきても、立ち止まらずにそのまま読み進めて文脈が理解できる程度のレベルが良いとされています。
そして、継続することがとても重要です。毎日10分でも15分でも継続することで、どんどん新しい単語、新しい言い回しが蓄積されていきます。
火をおこすのと同様、手を休めてはいけません。最初はなかなか煙も立ちません。意味があるのかもわからない状況でもひたすら続ける。そして少しずつ、少しずつ燻りはじめて、そこから一度火がついてしまえば、もうあとは薪をくべればよいだけです。
毎日15分の読書習慣がついた子どもは、高校を卒業する頃には570万語に触れた事になるというデータがあります。
多読の目安となる読書量(ワードカウント)として、300万語を読むと大人向けのペーパーバックが楽しめるようになるとの事なので、大学受験に必要な英検やTOEICなどオチャノコサイサイなレベルなのです。
原書を読んで、原文の表現の美しさに心を動かされ、涙してしまう。そんな経験ができるよう子どもたちを導くことができたら、その子にとって世界はどれだけ広がるでしょう。 そう考えるとワクワクしてきませんか?
もちろん、大人だって今からはじめても全然遅くはありません。
以前、多読多聴にはまって7年!という30代の方にお会いしましたが、多読を始める前は、12(twelve)と20(twenty)の区別もつかなかったというのです。その方はイギリス英語にあこがれて、イギリス英語ばかりを多聴したとのことで、それはそれは美しいイギリス英語を流ちょうに話されていました。海外経験がなくてもこんなにしゃべれるのか!とビックリでした。
そうはいっても、何事も一筋縄にはいきませんよね。
多読多聴に関しても、いろいろと課題や悩みも多いかと思います。
何から始めればいいのか、どんな本があるのか、他の学校はどんな取り組みをしているのか。そんな多読多聴に関して、今後このコラムで少しずつ情報発信していけたらと思っています。おつきあいいただけますと幸いです。