オスカー・ワイルド作の傑作戯曲を英語で読んでみませんか？
邦題は『真面目が肝心』とされることが多いこの作品ですが、原題では「真面目な、ひたむきな」という意味の形容詞""Earnest""と、発音が同じ男性名""Ernest""をかけています。

ロンドンで暮らす裕福な独身男性アルジャーノンは、義務から逃れて田舎でゆっくり過ごす時間を 確保するため、架空の人物である病弱な友人バンベリーを見舞う必要があるという嘘をついていました。 アルジャーノンの親友アーネストは、普段は田舎で暮らしていますが、頻繁にロンドンにやって来ます。 しかしアルジャーノンはひょんなことから、アーネストの本名がジャックであり、田舎の隣人たちには、 素行の悪い弟「アーネスト」に会うためにロンドンに行かねばならないのだと嘘をついている事実を 知ってしまいます。二人は同じように架空の人物をでっち上げ、ロンドンと田舎とで二重生活を送っていたの です！ロンドンではアーネストを名乗っているジャックは、アルジャーノンの従姉妹である グウェンドレンの婚約者ですが、この結婚には問題がありました。一つ目は、グウェンドレンが愛しているのは婚約者の人柄ではなく、「アーネスト」という名前であること。もう一つは、グウェンドレンの母である口うるさいブラックネル夫人が、出自不明の孤児というジャック本来の生い立ちを、絶対に許さないだろうということ。さらに、ジャックが後見している少女セシリーは、存在しない「ジャックの弟」に想いを寄せていて… 端々に社会風刺が効いた風俗喜劇。周到に準備された結末に驚くこと間違いなしです。